障害年金と障害者手帳

強迫性障害の症状が色濃く出てきて、最初に思ったのは、なぜこんなに辛いのに働かなければいけないのかということでした。

怪我や目で見て分かる病気と違い、メンタルは分かりにくいです。

それでも、こんなに辛い思いをしても、世の中は何もしてくれないのだと、絶望していました。

しかし、必死になって色々調べたところ、「障害年金」について知ったのです。

障害年金とは所定の障害の方に支給される公的の年金です。

とはいえ、何も分からないので、まずは社労士さんに無料相談することに。

はじめての面談は緊張しましたが、社労士さんは女性の方で私の病状などやさしく聞いてくれました。

ある程度質問が終わり、この症状なら障害年金が貰えると思いますよとのこと。

なんだか目の前が開けた気がしました。

面談終了後の帰り際、社労士さんが「障害者手帳は申請しないのですか?」と。

びっくりしました。

私程度の症状でも取得できるものなのか聞いたところ、障害年金受給者は比較的簡単に取得できるそうです。

目からウロコでした。

いや、棚からぼたもち?

どちらにせよ、手続きもお金はかかりますが、そのまま社労士さんにお願いすることに。

もし障害年金が貰えない場合は、料金は発生しません。

しかし、面談ですぐにお願いしようとしたところ、「1度ご家族と話されてからの方が良いですよ」と、社労士さん。

気が変わらないうちにすぐ契約させるのではなく、きちんと相談した方が良いと言ってくれた社労士さんを、本当に信頼できると思いました。

帰ってすぐ夫に相談し、後日契約。


しかし、病院で障害年金を申請したい旨を伝え、先生に診断書を書いてもらおうとしたところ、怪訝な顔をされ「結婚してるよね?家計が苦しいの?」と聞かれました。

結婚していても、申し訳ないですが夫の給料だけでは心もとないです。

それは話しましたが、なんだか嫌な気分にはなりました。

結婚していても辛いのは変わらないですから。

それから、障害年金の受給者証が届くまで3ヶ月ほど。

社労士さんに受給者証が届いたことを連絡すると、とても喜んでくれました。

その後障害者手帳申請で1ヶ月。

まさか私が障害者になるとは思いませんでした。

正直並大抵の覚悟ではありません。

でも今はそのおかげで、少しですが、ゆとりのある生活ができています。

何も行動しなければ始まらない。

生きにくいと感じたらそれは、心のSOSのサインです。

世の中は、勝手に税金は徴収しても、弱っている人に手を差し伸べてはくれません。

自分から行動するのが大事なのだと学びました。

障害者はずるいと言われることもありますが、その分辛い思いをしています。

それは分かってもらいたいです。

前を向く

5年前、私は主人の転勤で初めて地元を離れました。

生活はとても楽しく、充実していたのですが、どうしても人になじめず…

そのせいか仕事がうまくいかず、バイトを転々としてしまいました。

そして、強迫性障害の症状も色濃く出てくるようになります。

例えば、出かける前に何度も何度も家じゅうの施錠確認をする、仕事で作成した資料を何度も読みかえす…など。
施錠も資料も確認すればするほど何が正しいのか分からなくなります。

そして前に進めない。

毎日毎日仕事と仕事以外で、疲労困憊でした。

こんな辛い思いをしてまで働かないといけないのか…

そう考えたとき、ある行動に出ました。

まずはぼやっと、
「強迫性障害 仕事 辛い」
などのネット検索を。

そこから、強迫性障害にも保証があることを知ります。

それが障害年金でした。
簡単に言えば障害者がもらえる年金の事です。

基本はうつ病患者が対象らしいですが、私は若干抑うつも入っていたので、もしやと思い調べまくりました。

とはいえ、知識もないので、すぐプロの社労士事務所で無料相談をお願いすることに。

優しそうな女性だったので、とても安心しました。

様々、症状の質問をされましたが、この症状なら障害年金貰えますよとのこと。

手続きは、お金はかかりますが、自分ではできないし、負担が大きいと思ったので、すべて社労士さんにお願いしました。

帰り際、社労士さんが一言。

「障がい者手帳は取得予定ないのですか?」

正直私には縁のないことだと思っていたので、驚きました。

「私でも取得できるものなのですか?」

恐る恐る聞いてみましたが、障害年金を受給できれば比較的簡単に取得できるのだそう。

なんだか目の前が少し明るくなった気がしました。

結果、時間はかかりましたが障害年金も無事受給できることが決まり、障がい者手帳も取得できました。

何事も調べなければ分かりません。

税金は、勝手に徴収されてしまいますが、個人の得になることは誰も教えてくれない。

こんな保障があることも、私が受けられることも一歩踏み出さなければ分かりませんでした。

障害年金受給決定通知書が自宅に届き、社労士さんに伝えた時、

「本当に良かったです!」

と喜んでくれたことが、とても嬉しかったです。

生きにくいなと感じるときは、自分の心のSOSのサインです。

自分を救えるのは自分しかいないと今はよく分かりました。