大人になる時

過去に後悔がないかと聞かれたら、数え切れないほどあります。

でも、人生をやり直したいかと聞かれたら、それは違います。

今があるのは昔の自分がいたから。

今は最高に幸せだから。

私は他人より大人になるのが遅かったです。

自分の夢も分かりませんでした。

自分が好きなことすら、明確ではなかったのです。

今はすべてが明確で、自分の意思をしっかり持った大人になれました。

いつから人は大人になるのでしょう。

それは、脱皮できた時だと思うのです。

言葉にするのは難しいですが、自分自身を客観的に見ることが出来るようになった時、なんじゃないかと。

自分はなんて小さな存在なんだと思い知った時、人は大人になるのではないでしょうか。

自信に満ち溢れて、自分は何でもできる、と思うことは大事なことです。

でも、世の中を知れば知るほど、自分の無力さに気付いてしまう。

それは、絶望なんかじゃなくて、1歩前進した証拠なんです。

大人になるって、きっと世の中の辛辣さや、不公平さを知ることだけど、でも悪いことばかりじゃない。

私は無力かもしれない、でも何ができる?何がしたい?と自分に問いかけた時、また更に大人になっていくのです。

自分がやりたいことは、やれば良い。

世の中は、自分が思っている以上に冷たくて、辛いけど、でも自分は生きてる。

それだけで、もう大成功なんです。

世間の辛さに打ちひしがれる時があるかもしれない。

でもそれはまた貴方が成長するためのステップに過ぎないのです。

人は1人では生きていけない。

だから、色々な人の言動を吸収して、自分の理想の大人になりましょう。

自分の華を咲かせましょう。

大人

友人が10代で将来の夢を語る中、私は将来がまったく見えない青春時代をすごしました。

私は他人より大人になるのがだいぶ遅かったのです。

それは、自分が何者なのかがきちんと分かっていなかったから。

何が好きで、何が嫌いで、それがすべて母の判断によるもので、自分ではまったく分からなかったのです。

私が好きなものは母が決める。

嫌いなものも母が決める。

それは私の意見ではなく、すでに母の意見だということすら私には分かりませんでした。

しかし、その事に気付いてからは、

「早く自立したい」

そればかりが私を支配しました。

しかし、そもそも母は私の自立を許しませんでした。

結婚するまでは実家にいるのが「普通」、そう言われ育てられました。

結果30歳を過ぎるまで、私は実家暮らしを余儀なくされることになります。

家族はこういうもの、貴方はこういう人間という偏った価値観を植え付けられたまま、ずっと生活していたのです。

おかしいことには気付いていました。

ただ、何が正しいのか分からないまま、この状況を打破するには、私は結婚するしかないと思ったのです。

しかし、最初の結婚はただ家を出たかっただけで、上手くいくはずもなく、そもそもその結婚自体、支配者が変わっただけでした。

楽しい結婚生活を夢見ていた私は、いつの間にか痩せ細った自分を見て、愕然としました。

私は何をしているのだろう…。

涙が溢れました。

元夫との将来は、正直最初から想像がつかなかったのです。

2人で老後の生活をするなんて、考えることすら難しいことでした。

私は元夫を愛してはいなかったのです。

結婚生活は2年という短さで幕を閉じました。

私はその短い結婚生活で、元夫に料理を褒めてもらったこともお礼を言われたことも一度もありません。

実家もそうだし、結婚はそういうものだと思っていました。

2度目の結婚は正直、怖かったです。

また同じことを繰り返すのではないか、私は誰かと一緒に暮らせるのか。

しかし、心配とは裏腹に生活はとても楽しいものでした。

夫は私の料理をいつも最大限に褒めてくれます。

そして、「今日もありがとう」と毎晩お礼を言ってくれるのです。

それがたまらなく幸せなのです。

私にこんな幸せが訪れるとは、昔は考えられませんでした。

今は夫との将来をすぐに想い描くことができます。

この人と幸せになろう、この人を幸せにして、私も幸せになるんだ。

それはずっと昔からそう決まっていたみたいな、そんな感覚です。

私はようやく自分を見つけ、そしていつの間にか、自分の好き嫌いがきちんと分かるようになりました。

夢もあります。

だから、私は頑張れる。

これからも私は夫と愛猫と2人と1匹で幸せを築いていきます。