腫れ物

私が強迫性障害を誰にも言わないのは、ただ単に心を許していないのもあります。

でも1番は腫れ物扱いされたくないからです。

多分私が友達から、うつ病だと聞かされたら通常通りに接することが難しくなってしまうと思います。

小さなことで気を使い、自分の言動に細心の注意をはらいます。

私は周りにそんなことをしてほしくはないのです。

夫に打ち明けた時も、不安はありましたが、夫は今でも変わらず接してくれます。

それって、実は凄いことです。

私にはおそらくできません。

自分はやられたくないけど、相手にそれを求めるのはわがままですが。

デリカシーがない人と、真に優しさを持っている人では対応が違うと思います。

軒並な正論を言われるより、一緒に別の話題で笑ってくれるような人が私の理想です。

「強迫性障害?なにそれ?」

位のスタンスの方が楽なのかもしれません。

かといって

「心の病気なんて気合いでなんとかなるでしょ。」

なんて言われたら、その人とは絶対に付き合えません。

自分でも正直面倒だと思います。

だから、言わないのです。

そして、なるべく面倒だと思われたくなくて無理して周りに合わせようとします。

だから余計神経がすり減るのかもしれません。

私が強迫性障害を発症した当時は、心の病気なんてまだまだメジャーではありませんでした。

今は昔よりは、メンタルの病気に優しい世の中です。

メンタルを患っていても、それを個性と捉えて尊重できるような、そんな人に私はなりたいです。

会話能力

あの時これを言えばよかった、あれを言えばよかったと後から後悔することがあります。

頭の回転が早い人ならすぐに上手い返しを思いつくのでしょうが、私には無理です。

そして何故かあとから、言えばよかった上手い返しを思いついてしまうのです。

不思議なもので、一旦落ち着くとなかなか良い答えが生まれるものです。

なにかの本に普段からこう言われたらこう返すという、シュミレーションをしておくと良いと書いてありました。

しかし、無限にある会話に予測なんてつくわけないです。

日々、誰かとコミュニケーションをとることで自然と頭の回転が良くなるのだとは思います。

ただ、コミュニケーション不足&苦手な私にはそれすら難しい…。

高校生の時は確かに、毎日友達とばかみたいに話していたので、頭の回転は早かったように思います。

今は会社に1日いても、何を話したか覚えているくらい、会話は少ないです。

誰とでも人懐っこく話せる人が羨ましいです。

ただ、自分はそうなりたくないと思う時もあって、矛盾してますね。

私は親しい人と仲良くできれば、浅く広い交友関係はいらないと思っているタイプです。

だから余計、誰とでも仲良くしなくても良いと思うのです。

言葉の刃が怖くて逃げているのかもしれません。

傷付くなら話の輪の中に入らない方が良いです。

防衛本能も過度はいけません。

でも私はおそらく変わらないでしょうね。

転職

今の土地に来てから5年経ちますが、その中で私は5回転職しています。

最初の会社には2年ほど勤めましたが、他は1年ももちませんでした。

休職期間もあったり、内職なんかもしたりしていました。

夫がいるおかげでこんなワガママが通じたのだと思っています。

転職の原因は色々ありますが、まずは私の物覚えが悪いことが影響しています。

また数字にとても苦手意識があり、実際弱いです。

簡単な計算などでも、不安で何度も確認し、時間がかかってしまいます。

物覚えが悪いことに加え、仕事も遅く、速さも正確さもないです。

その事に対して何か言われると一気に萎縮し、もう無理だと諦めてしまいます。

仕事を変えたからと言ってリセットされる訳ではないのに、結果仕事を変えるのです。

元々最初の会社でメンタルを痛めつけられ、傷が癒えないまま転職したので、正直まともに働ける訳がなかったのです。

最初の会社を辞め、そんな理由で3社転々としました。

その後今の会社に入社しましたが、不安でいっぱいでした。

しかし、トレーナーの社員の方が仕事を丁寧に教えてくれたので、かなり助かりました。

何度もでも分からなかったら聞いてくださいと言ってくれたのも嬉しかったです。

ただ、その方がどうという訳ではなく、私は見られながら仕事をするのがどうにも難しく、プレッシャーがありました。

そして余計なミスをするのです。

それで辞めようか考えていましたが、今はその方が在宅で働いているため、良い職場環境になっています。

そしてなんとか1年たちました。

今は自分に合った働き方だと思っています。

色々な仕事をして良かったのは、柔軟性が身についたということです。

色んな会社があり、社内の雰囲気や、社内ルールも様々です。

転職が多かったせいか、それはどこでもすんなり受け入れられます。

学校卒業から定年まで、同じ会社に勤めるのは理想だと思いますが、転職組にもメリットはあるのです。

その分もちろんデメリットの方が多いですがね。

でも私は転職が多いことは後悔していません。

色々経験できて良かったと思っていますし、今後また夫の転勤でどこかへ行っても大丈夫です。

そこは大丈夫な自分になりました。

地獄のランチ会

うまく笑えていない気がしました。

笑顔が引きつっているような感覚があったのです。

それは、気が合わない職場の同僚たちとランチに行った時でした。

人数が多い方が助かります。

無理に話さなくてすみますから。

しかし、私はどちらかと言うと、大人数で飲み会などをした時、会話の輪から外れてしまうタイプです。

人数が多いと、始めは全員で話していても、そのうち2~3人に分かれて話しをするようになります。

私はその会話からあぶれて1人になってしまうのです。

積極的に会話に入るのも、なんだか邪魔な気がして気が引けますし、かといって大人数の中で1人なのは、ひとりで居酒屋に入るより孤独です。

そしてどうしようもなく惨めなのです。

ただ、人の話しを聞いて笑顔で相槌を打てば良いだけなのに、私は笑顔すら作れませんでした。

昔から、感情が表情にすぐ出る子供でした。

今でも変わりません。

私はそのランチがつまらなくて仕方なかったのです。

会社の愚痴やつまらない噂話をただ聞くだけの、苦痛の時間です。

でもランチに誘われて断る勇気はありません。

断ったら、その後何を言われるか分からないし、職場で上手くやるためにはそんなランチ会も必要だと思っています。

内心、二度と誘わないで欲しいと思っていても、誘われなくなったら終わりとも思っています。

こんな自分がたまらなく嫌で、家に帰ってからも
「今日の言動はダメだったかな」
とひとり反省会をするのも嫌です。

つまらないランチ会のために、心を痛め悩まされるのがしんどいです。

いつの頃からか自分の殻にとじこもるようになり、殻の破り方を忘れてしまいました。

夫には何でも話せるのに、他人とは何を話して良いかまったく分からなくなるのです。

コミュニケーション能力のある方なら
「話す内容なんてなんでも良いのに」
と思うかもしれませんが、私には「なんでも」が難しいです。

自分のコミュニケーション能力の低さにガッカリしますね。

頭では別に嫌な相手とは付き合わなきゃ良いし、そんな人には嫌われても良いと思うのに、実際は嫌われるのが怖いのです。

好かれなくても、嫌いにはならないでほしいのです。

家に帰るとほっとします。

ここは私のお城ですから。

働くのはストレスがつきものですが、適度に発散して仕事を乗り切ります。

防衛本能

いつの頃からか、人との距離のとり方が分からなくなってしまいました。

以前勤めていた会社では、気が合わない人と無理に溶け込もうとして、人間関係に疲れてしまった経験があります。

今は逆に気の合わない人と、一切絡まず、距離を置いています。

それはそれで正直疲れます。

どちらが良いのか分かりません。

ちょうど良い距離感が分からなくなりました。

仲の良い人や、気の合う人とは積極的に仲良くできるのに、適度って難しいですね。

昔は平気でしたが、他人に変に近寄られるのも嫌になりました。

電車やバスでは致し方ないことなのに、どうにも嫌なのです。

マスク生活が終わり、匂いに敏感な私には人の匂いが嫌なのかもしれません。

また人の話し声も敏感に聞こえてしまうので、嫌な噂話や、悪口が聞こえるのが嫌なのもあります。

自分のことを繊細だとは思っていませんでしたが、かなり繊細なのかもしれません。

強迫性障害が色濃く出ると、こんな症状も強く出ます。

自分の殻にこもっているのが良いとは思いません。

孤独が好きな訳ではありませんから。

でも、社会では自分の身を守るために殻にこもるしかないのかもしれません。

きっと自分なりの防衛本能なのですね。