私の物語

人生には、運命の本が1冊は存在すると思います。


小説でも漫画でもエッセイでも。


最近は本を読むことがめっきり少なくなってしまいましたが、私にも運命的な本が何冊かあります。


人生のターニングポイントや、ふとした瞬間に読みたくなるそれらの本は、かけがえのないものです。


電子書籍でも良いと思う方もいるかもしれませんが、私は古い人間なのか、本がたまらなく好きなのです。


紙の質感、匂い、ものによっては分厚いハードカバー。


それらは手に持ってはじめて味わえるものです。
最近急に思い出して、古い本を引っ張り出してきました。


何故か急に読みたくなる、そんな本が運命の本なのかなぁと思います。


久々にその本を手に持って、たまらなく懐かしい、幸せな気持ちになりました。


ひとりっ子で外で遊ぶのが苦手だった幼少期の私は、絵を描いたり、おままごとをしたり、本を読んだりして遊んでいました。


ひとり遊びは得意でも、誰かと遊ぶのは苦手だったのです。


本を読んでいる時間は現実逃避して、私は物語の主人公になれた。


当時は少なからず寂しいと感じる時もありました。


でも今は思います。


私の人生の主人公は私しかいないのだと。


ドラマティックな出来事なんてなくても、私は私の物語を生きているのです。


それだけで、なんだか強くなれる気がしました。